…すぐに外してやるからな。

大人しくしてろよ。


(あなたの脚にはめられた輪を、その男性はいとも簡単に外してくれた)

(金属の輪から伸びたワイヤーを手繰り寄せ、その罠を回収している)


…はあ、まさか狼が罠にかかるなんて思ってもなかったな…

ほんとはこの罠で鹿を捕まえるはずだったんだが…。



(…どうやらこの男性は鹿を捕まえようとしていたらしい)


…ごめんな、怪我はしてないか?

これは俺が鹿を駆除するために仕掛けたものなんだ。
…ま、ここに鹿なんてほとんどいなかったようだが…


…っていうか、むしろ狼がこんなところに居たなんてな…驚いたぞ。


(どうやら敵意はない…ようだ)

(彼は一体…?)


(恐る恐る近づくと、どこかでかいだことのある匂いが漂ってきた)


(雪でかき消されていたが、この匂いは……ひどく懐かしく、思い出深い匂いだった)





名前:アーサー・カークランド
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