(聞き覚えのない声がどこからともなく聞こえてきた…さっきの男とは違う声だ)

(一体どこから…?)


「ここ!ここやで!さっきまであんなにしっかり握っててくれとったやんか~。」

「俺様もいるぜ!」


(視線を下に移すと、先ほど落としてしまった燭台が鉄格子の外に置いてあるではないか)

(その隣にはいつの間に現れたのか木製の箒が直立している)


「乱暴に腕を掴まれていたが…大丈夫か?」

「男の風上にもおけねぇな、あのやろー。」

「怪我してない?寒いでしょ?そうだ、コーヒー飲む?」


(次々に色々な声が聞こえてくる…そして続々と本来なら動くはずのない食器やら道具やらが動きながら牢屋の前まで集まってきた)

(燭台、箒、置時計にティーカップとティーポット…どうなってるの…!?)

(あまりの出来事にぎょっとしているのを察したのか、置時計が少し後ろに下がるような仕草(?)を見せた)


「ああ、驚かしてしまってすまん…話せば長くなるんだが、ここでは寒いだろう。」

「すぐ出したるからな~。」


(燭台が硬いはずの金属で出来た三又の部分をまるで腕のように動かし、牢屋の鍵を開けてくれた)

(軽い音を立てて牢屋の扉が開かれると、足元の道具たちは自分たちの存在を主張すように飛び跳ね始めた)


「部屋まで案内してやるぜ。こんな牢屋、ベッラには似合わない。」

「こっちこっち!」


(ぴょんぴょん跳ねるティーセットについていくと、両開きの大きな扉の部屋へとたどり着いた)

(中へ入ると、そこは明かりが灯され綺麗に装飾されたベッドルームだった)

(昔は客室として使われていたのだろうか、暗いお屋敷の中にこんな部屋があったなんて…)





名前:アーサー・カークランド
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