(その瞬間、手に持っている燭台の炎が大きく揺らめいた)

(そして背後でどす、と何かが落ちてきた…いや、大きな猫が着地したような…重いながらもそれを感じさせないような音と鋭い視線を感じる)

(…もしかして野生の動物が住み着いてたんじゃ…?)

(恐る恐る背後を振り返ると、そこには…)







…俺のバラを無断で手折るなんていい度胸してるじゃねぇか。



(一人の男が立っていた)


(…しかし一瞬人間のように見えたその男だったが、口を開くと見え隠れする鋭い牙、人間の耳はなく代わりに狐のように尖った大きな耳や大きく太い尻尾、手足はライオンのように大きく毛に覆われ鋭い爪もちらりと見える…まるで動物のように爪先で立っており、その背の高さとありえない容姿に思わず言葉を失う)


「人のものを勝手に奪うとは、躾のなってない娘だな。…来い。」


(驚きと恐怖で思わず持っていた燭台とバラを落としてしまうと、目の前の獣のような姿をした男に腕を掴まれてしまった)

(抵抗しようにも腕が折られそうなほど強い力で握られ、まるで暴れることを許さないと言っているようにも感じ取れる)


「ご、ごめんなさい…!盗むつもりじゃ…!」


(慌てて謝るが、目の前の男は聞こえていないかのように早足で屋敷の中に入っていく)

(引きずられるように屋敷の奥へと連れ込まれ、やがてあなたが通されたのは暗く冷たい石と鉄格子で出来た牢屋のような場所だった)

(放り投げられるように無理やり中に入れられ、一つしかない出入り口の扉が乱暴に閉じられる)


盗人はここで反省してろ。お前の今後は俺が決める。


(それだけ言うと男はあなたを置いてどこかへ行ってしまった…)





名前:アーサー・カークランド
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