(近くにあった納屋に馬を繋ぎ、屋敷の大きな玄関扉に手をかける)

(無用心にも鍵はかかっておらず、ぎぃ、と音を立てて重厚な扉を開け中に入ると真っ暗で、大きな窓から差し込む月明かりだけが唯一の光源となっていた)

(物音も一切せず、聞こえるのは自分の足音だけ…壁を伝い手探りに奥へ進んでいくと、ホールにはシャンデリアや燭台が見えるものの明かりは一切灯っておらず、生活観を感じない冷たい室内だと感じた)

(この屋敷に長年人が住んでいないことは明らかだ……が、壁や燭台に触れてもざらつきは感じず埃一つ落ちていないことがわかる)


(定期的に人が出入りしているのだろうか…?)


(少々不気味に感じたが今は誰も居ないようだ)

(せっかくだし、こんなに大きなお屋敷を見るのも初めてだから探検してみようかな)

(暗いから足元に気をつけないと…)


(そう思い辺りを見渡すと、さっきまで暗かった室内の一部が少し明るくなったような気がした)



(くるりと後ろを振り向くと、飾ってあった燭台になぜか炎が灯っている)



「…!?」


(私、いつの間に火をつけたっけ…?それとも最初から…?)

(自分以外に誰も居ないはずのこの空間で、背後に誰かの気配さえ感じるような気がしてくる)

(背筋に寒いものを感じたが雪のせいだと誤魔化し、そっとその燭台を手に取った)

(三又に別れ、三本の蝋燭が刺さったその燭代は、暗闇でもわかるほどに美しい金色をしており、大胆かつ繊細な装飾のなされた高価なものに見える)

(まるで芸術品のような燭台を掴み、ゆっくりと屋敷の中を探索していくことにした)





名前:アーサー・カークランド
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