○○だった。








…いや、○○によく似た女性だった。

一瞬しか見えなかったが、まるでその場に○○が現れたような…そんな気持ちになってしまった。

思わず息を呑む。


俺がプレゼントしたウェディングドレスを着た○○が、そこにいる…


○○だとわかっているはずなのに、そう思わずにはいられなかった。
照れくさそうに笑った顔も、その眼差しもすべてが数十年前の○○の姿に重なってしまう。


○○…こんなところにいたのか…?




思わず彼女に見入っていると、突然後ろから誰かが俺の肩を力強く掴んできた。

はっとして後ろを振り向くと、フランシスが飽きれたような表情で俺の方を見ている。
そしてゆっくりと首を横に振った。



…そうだ、彼女は○○じゃない…○○なんだ。
何をやってるんだ、俺は…。


○○のことで頭がいっぱいになり、式が終わるまで牧師が話してる声や内容がまったく頭に入ってこなかった。
なんて情けないんだ…。

式が終わり全員が席を立つと、ため息を吐いて思わず頭を抱えた。


「アーサーさん、大丈夫ですか?ホテルのホールへ移動になるようですが…。」

「ああ…悪い、大丈夫だ。」

「○○さん、とても綺麗でしたね。」

「…ああ…。」

「おいおい眉毛!○○ちゃんが可愛すぎて見とれてたんでしょ~!ガン見しすぎて怖かったんだけど!」

「……。」

「ちょっと無視!?」



…我ながら本当に自分は馬鹿だと思った。

いつまで俺は○○の影を追い続けているんだ…
○○はもう、ここにはいないってのに…。






名前:アーサー・カークランド
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