結婚式の当日。

自宅のローズガーデンで育った花をブーケにし、ブライズメイドに預けた。
それは○○が好きな花、そして○○の好きだった花を集めた可愛らしいブーケだ。
我ながら綺麗にまとまったと思っていると、ブライズメイドが「とても可愛いブーケですね」と褒めてくれた。お世辞でも若い女性に褒められると少々恥ずかしいもんだな…。

とにかく、俺の仕事はこれで終わり…。

あとは○○を見守るだけだ。


式はイングリッシュガーデンの中にある小さなチャペルで、パーティーは併設されたホテルのホールで行われるそうだ。

俺は一刻も早く○○の晴れ姿を見たかったんだが…○○いわく「楽しみにしてて!」ということで式が始まるまで、そのドレス姿はお預けらしい。


そわそわとチャペルの新婦側の席に座っていると、アルがこちらに近づいてきた。
今日ばかりはきちんとスーツを着て髪をセットしているようだ。…が、そのスーツは既製品なんだろう、体のサイズとあまり合っていないように感じられた。まったく、俺がスーツに関してあれだけ躾けてやったってのに…まったく活かされてないじゃねーか…。


「なにそわそわしてるんだい?レストルームならあっちなんだぞ。」

「レストルームじゃなくてトイレって言え、あと俺は別にトイレに行きたいんじゃねぇよ!緊張してんだ!お前も孫が結婚するようになればわかる!」

「HAHAHA!なんだいそれは!その歳になってもまだ緊張するなんて現象が起きるんだなぁ!君、今年でいくつになるんだい?」


そんなくだらない話をしていたら、緊張もほぐれてきたのか肩の力が抜けていくような気がした。
気の抜けたところで、チャペルに牧師が入ってくる。

その場の雰囲気が少しずつ静かなものになっていき、ああ、いよいよなんだと再び緊張が戻ってきた。






ぎぃ、とチャペルの扉が開かれる音が聞こえる。

その場にいる全員が後ろを振り返った。



まず○○の夫となる花婿がバージンロードの真ん中あたりまで歩いてくる。


…そして、それに続くように二人分の影が扉の前に現れた。






名前:アーサー・カークランド
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