十数分ほどして、少々重そうな荷物を持った○○が家にやってきた。
スコーン以外にも何か持ってきたのだろうか、彼女の荷物を持ってやると分厚いカタログが数冊入っていることに気付く。

そのカタログの表紙にはドレス姿の女性の姿が……ああ、結婚式に関しての相談だったのか…。


小さな頃から俺が溺愛してきたせいか、彼女はいわゆる「おじいちゃん子」に育ってくれた。
実家から近いということもあってか、両親と喧嘩したときは家出場所として俺の家に避難しに来たり、学校帰りに遊びに来ることも日常茶飯事だった。
今度結婚する男についても、両親以上によく相談をされたものだ。
…彼氏の相談をされるたびに少し複雑な気分になったことは○○には内緒にしている。


スコーンとティーセットを皿に用意していると、○○がバッグから先程のカタログを取り出してテーブルの上に広げ始めた。
そのカタログにはところどころ付箋が貼られている。


「おじいちゃん、結婚式のドレスなんだけど…どれがいいと思う?」

「○○が着たいドレスはないのか?気に入ったものを着るのが一番だと思うぞ。」

「そうだよね…でもどれもしっくりこなくて…。」


○○が広げたカタログを一冊手に取り、ペラペラとページを捲っていく。
可愛らしいものや大人っぽいシンプルなもの、さまざまなデザインのウェディングドレスが紹介されている。

付箋がついたページに載っているドレスは○○が気になったものなのだろうか、彼女によく似合いそうなデザインだ。
というかどれを着てもきっと可愛いと思う、なんたって俺と○○の孫なんだからな。

……ただ、本人的にはあまりしっくりこないらしいが。






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