○○の墓に供えるため、庭で育てた薔薇の花を丁寧に摘んでいく。
この薔薇は○○と一緒に育てた、柔らかな優しいピンク色をしたウィリアムモリスだ。
ちょうど薔薇が綺麗な時期だし、この美しい薔薇の花束を供えたらきっと○○も喜んでくれるだろう。
鋏で茎を切っていると、ふとあることを思い出した。
俺の孫娘の○○が結婚することになったのだ。
ちなみに相手はイギリス人、まだ若いがジョークの通じるなかなかの紳士だった。(眉毛も太い)
どうやら近いうちに結婚式を挙げるそうで、毎日その準備に追われているとのことだ。
…せっかくだし、俺と○○が育てた薔薇たちをブーケにしてやろうかな…。
俺と○○の間には一人の男児が生まれた。
見た目は本当にビックリするほど俺に似ていて、唯一○○に似た部分は髪の色くらいだった。
そしてそいつは更に俺そっくりに成長し、一緒に街を歩けば双子なのかと言われるほどにまで立派に育った。もちろん眉毛も俺似だ。
大人になった息子は、やがて結婚し家庭を持った。
その嫁さんが日本人で、これまた○○に雰囲気の似た女性だったんだ。あいつは昔からマザコンだったし妙に納得がいったものだ。
もちろん彼女も俺と息子の姿を見て、目をぱちくりとさせ驚いていたのは今でも覚えてる。
その数年後、息子夫婦に一人の女の子が生まれる。俺と○○の初孫で、二人して心から喜んだものだ。
生まれてすぐに俺たちに会いに来てくれたのだが…不思議なことに、その子はとても○○に似ていた。
息子は俺に似て孫は○○に似る、面白い話だ。
初孫は○○と名付けられ、息子夫婦はもちろん、俺と○○も溺愛した。
…だが○○が生まれて数年後、○○は天国に旅立ってしまった。
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名前:アーサー・カークランド
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友情の証に謎の食べ物を貰う
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