……は?


…それって、記憶喪失ってやつ、か…?


(病院のロビーで、隣に座る菊が伏目がちにこくりと頷いた。)

(○○が事故で頭を打ち、記憶をなくしてしまったと聞かされ、俺はどんな顔をしていいのかわからなくなってしまった。)

(記憶喪失……しかも、なぜか…)


……俺のことだけを、思い出せないのか…?


日「はい…。正確には事故に遭った日のことと、アーサーさんに関すること全て、です…。」


日「○○さん、普段は訪れないような場所で事故に遭ったんです。ですがなぜそこに居たのか思い出せないらしくて…。」


日「アーサーさんがお見舞いにいらっしゃると話をしてもまるでわからないようだったんです。」


日「その…お呼び出ししてしまったものの、彼女に会わせていいものかと…すみません…。」


(俺に関すること、全て…?)

(俺のことを何も覚えてないのか…?)


(菊の真剣な言葉に不安で胸の奥がざわめく。)

(隣の菊の表情と声色に嘘偽りは感じられない、しかし心のどこかでそれを信じられない俺がいた。)

(俺を驚かそうとする冗談なんじゃないだろうか…もし仮に事実だったとしても、もしかしたら俺を見たら思い出してくれるかもしれない…。)


(そんな希望的な考えをぐるぐると巡らせていると、菊が申し訳なさそうに俺に声をかけてきた。)


日「…○○さんに、会われますか…?」


(恐怖はあった。)

(一番の友達が……好きな女が自分のことを本当にわからなくなっていたら…。)

(それでも俺は、縦に首は振っていた。)







名前:アーサー・カークランド
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