やっと追いついたよ。

これ、君がさっき落としたみたいだから届けようと思って…


(…え?)


(目の前のクマが、あなたに手を差し出してきた)

(その大きな手のひらには不釣合いな、あなたのお気に入りのアクセサリーの乗せられていた)


「拾ってくれたの…?」

うん。
とっても綺麗なアクセサリーだね、君に似合いそう。


(優しく笑ったクマはあなたにアクセサリーを手渡すと、にこにことそれをしまいこむあなたを見つめている)


「ありがとう、何てお礼を言ったらいいか…。」

いいよ、お礼なんて。冬眠明けのいい運動になったし。
あ、でも…

「でも…?」

お礼してくれる…ってことなら僕のお友達になってくれない?
ここは寒くて暗くて…誰も会いに来てくれないんだ、ハムスターにも拒絶されちゃうし、僕一人で寂しいんだ…。


(クマがその大きな肩を寂しそうにしゅんすくめる)

(…どうする?)


いいよ

ごめんなさい

ある日の森の中③3