(隣にカークランド家が越してきて一年ほどの月日が経ったある日、今日もアーサーが来るのかなと思いながら書斎から庭のほうを見ていると、庭ではなく玄関から呼び鈴の音が聞こえてきた)
(呼び鈴にはアーサーの身長では届かないし、一体誰が…?)
(不思議に思いながらも玄関の扉を開けると、そこにはアーサーのお母さんが紙袋を手に立っていた)
(彼女の足元には俯いた金色の頭…)
(旦那さんの仕事で、突然イギリスに帰ることになったそうだ)
(予定ではあと数年○○で暮らすつもりだったのだそうだが、急な転勤は付き物なのだそうだ)
(毎日アーサーが外で遊んでいたが、うるさくしてなかったか、と聞かれた。本当にアーサーはあなたのことを誰にも話していなかったようだ)
(彼女に笑って毎日静かだった、と伝えるとほっとしたように笑い返してきた。そっとアーサーに目を向けるが、彼は相変わらず足元を見つめたままだ)
(手に持っていた紙袋をあなたに渡し、彼女はお礼を言ってアーサーの手を引き屋敷に戻っていった)
(連れて行かれたアーサーはあなたの方を振り返り、泣きそうな顔で小さく手を振っている)
(彼に見えるように手を振り返してやると、大きな緑の瞳からぼろ、と大粒の涙が零れ落ちたのが見えた)
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名前:アーサー・カークランド
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