楽しい話か…そうだな…
じゃあ、船に関する面白い話を聞かせてやるよ。

これは俺の祖国の近隣諸国の海賊船の話だ。




ある海賊船に、暴君として有名な船長がいたんだ。
部下をこき使い船を酷使するような、船乗りの風上にも置けないような男がな。

そんな船長だったが、あるひどい嵐の日に無理やり船を出港させたんだ。
目的地である国へ向かうためならまるで悪天候でもお構いないしでな。

荒れ狂う風や波に揉まれ、船員たちは次々に命を落とし船はボロボロになっていった。
生き残った船長はその嵐を忌々しく思ったのか神に向かって怒りをぶつけたんだ。

神なんかに助けを求めるか!呪ってやる!…ってな。

それに対して船に取り憑いた神が、船や船員を傷つけてまでなぜ航海するのか、引き返さないのかと問いかけるが、船長はこう答えた。

最後の審判の日までかかっても必ず目的地までたどり着いてやる、と。

そして神を冒涜した船長はその宣言通り、審判の日までその海域をさ迷い続けることとなった。
死んでもその海域から抜け出せず、永遠にな…。

その船は船長ただ一人を乗せた幽霊船となり、今もその海域を漂い続けているらしい。
もし旅の途中にその幽霊船に出くわすと不幸が降りかかるんだとか…

実際に俺の祖国で航海に出た船がその幽霊船に出くわし、船員が甲板から落下し命を落としたそうだ。

きっとその幽霊船は、ずっと例の海域を航海し続けているんだろうな。
最後の審判が訪れるその日まで。


…なあ、俺たちが今滞在してる国…どこだと思う?
もしここが船長が目指していた国で、その近くの海域を今この時間も漂っているとしたら…?

この悪天候は例の海域の近くだから、だったりしたら……。





…どうだ?なかなか面白い話だっただろ。

え?楽しい話じゃない?
そうか、せっかく飛び切り面白い話したのにそれは残念だ。


(アーサーが悪びれた様子もなく肩をすくめる)

(もしアーサーの話したことが事実だとしたら……)

(大雨で揺れる船や静かな船内に、あなたは少しだけ身震いした)


Σ眠れなくなった


名前:アーサー・カークランド
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