キスメがすごくちっちゃいときのことだよ。
間違えてキスメが地上に行っちゃったんだ。
地上と関わったら不味いでしょ、戻りたかったんだけど間欠栓が見つからないのよ。
泣きながら歩いていたら男の子が来たんだって。
君、地底からでしょ。帰ろうよ、ってね。
 キスメは同じ地底の嫌われものかと思って必死に頷いたの。
そして、気づいたら地底だったのよ。

*

『その子が君にそっくりだったの』
 
それはいつごろ?
なまえはきいてないの?
『実は……』