―こんな時に空母2体と戦艦だと!?

この状況では北上が危ないと悟った提督は即座に撤退を決意するが、それもできないので何とかしのぎ切るように祈った。それとは他所に砲雷撃戦が始まる。

―頼む!北上は狙わないでくれ!!

敵駆逐艦は沈めた。しかし、戦艦と空母2体、重巡は未だ健在、艦載機や砲撃が容赦なくこちらの艦隊を砲撃してくる。




高雄中破
那智大破
利根大破

次々とこちらの艦隊に大損害を与えてくる。そして艦載機の攻撃が無情にも北上に攻撃を仕掛ける。

艦娘轟沈

その文字が何を意味するのかが分かるのに時間がかかった。

―え?北上が...轟..沈...?

北上「次に生まれる時には、重巡がいいなぁ...。」

そのセリフを残し、北上は海の底へと沈んでいった。

―嘘..だろ...?...はっ!いかん!このままでは他の皆もやられる!撤退してくれ!

こうして戦いは敗北に終わり、何よりも大切な艦娘を一人失ってしまった。絶望感に襲われ、一人机に突っ伏し、静かに泣いた。

―すまない...北上...俺が未熟なばかりに...

後悔しても何も戻るものはない。そんなことは分かってはいても、北上と過ごした日々は後悔するには十分すぎた。
たった2日とはいえ、近代化改修した時の北上のセリフが頭の中にリフレインする。

―『いいねぇ、痺れるねぇ~。ありがとね♪』

そんなさりげないセリフを想起するたびに罪悪感と自責感に襲われる。


轟沈話2