その日はとても風が強く、木々がざわめいていた


春一番の風は、まるで嵐のように桐皇学園の新入学生達を包んでいた


そんな全ての始まりの朝である
























ボフッ




その音は道路に響いた




??「あ…やべ」




私の頭を丸くて硬い何かが直撃したのだ




(ぶっ…!!!痛ったー)




??「わりぃ、滑ったわ」




文句を言おうと目を開けると、ガングロで無気力そうな少年がバスケットボールを持ってこちらを見つめている




(ちょっとなにすんのよ)




??「だからわりぃっつってんだろ?、グダグダうるっせーな(くぁ)」




(何だろう、この少年は…人にボールをぶつけといてこの態度…)




そんな事を思っていた矢先、ここ一番の突風がふき、桜が辺り一面を舞った




??「おー、すげー風だな…」




(よく見ると、なかなかのイケメンであるが…目がとても寂しそうだ)




(あの…)??「あー!大ちゃーん!!!待ってって言ったのにひどーい!」




声がする方を見ると、可愛らしい女の子が走ってくる
大ちゃんと呼ばれた青年は気だるそうに答えた




??「あー?知るか、んなもん…だりぃ
あ、あとアンタさ…引ったくりに狙われてたぜ、気ぃ付けろよ」





知るか、ちゃんと謝れよ


桐皇学園入学式