こつん、と優しく俺を小突く早苗。俺はごめんごめんと片手で謝りながら、空いてる方の手でその手をどかす。
「あなた考え事する時、いつもぼーっとするんですから…。ほら、何考えてたか教えてくださいよ」
そう言って頬を膨らませる早苗。何を考えてたか、か。デートの事なんだけど…って、そういえば、まだ俺と早苗は二人っきりでデートした経験がない。
何というか、デートに誘うのが恥ずかしい。しかも今の早苗は「どうせえっちな事考えてたんでしょ」とでも言いたげな視線で俺を見つめている。こら、あんまり俺を変態扱いするなよ。
だが、俺は俺と早苗の思考のギャップを無駄にするつもりは無かった。いつもの俺なら誤魔化そうと企むが、ここで本音を言って照れさせるのはどうだろうか、という考えが俺の中でむくむくと膨らんで行く。
そうだ、この流れなら言える。彼女の予想の斜め上を行くこの回答、今の早苗に読めるはずがない!!
という訳で、俺は意を決して
早苗にそれを告げた