朝。
 俺は目覚めるとカーテンを開いた。窓から射し込んでくる光が少し眩しい。

 昨日、俺と早苗は抱き合うようにして寝た。起きてから真っ先に早苗の寝顔が眼に映っただけで、俺は幸せを感じた。その幸せは俺が生きてて一番心地良い物だった。

 そして俺は悟った。
 間違った愛を育めば、昨日みたいになるんだ、と。
 そうならないとしても、間違った愛は間違った想いや行動へと変化する。
 それが分かった今、俺が自ら課す使命は一つ。

 それは――早苗を幸せにすること。
 世界一幸せにしてやる、なんて大袈裟にする必要は無い。大体にしてその基準が俺には分からない。早苗が俺に感じさせてくれた幸せの分は、俺が早苗の幸せの分にしてきっちり返す。それで、十分だ。


 そういえば、昨日買ったバッジ、まだ早苗にあげてなかった。
 ま、いいや。後で早苗のかばんに付けて良いか聞いてみよう。

 とりあえず早苗が起きるまで、俺は待つ事にした。
 早苗と俺の手を繋ぎもう絶対に離さないと、窓から見えるこの景色に誓いながら。 

 final
荒姫pr17