早苗は今、俺の部屋に居る。そして俺も、自分の部屋にいる。だけど、俺は何も喋らなかった。俺は意味深に言った事をどう受け取られたのかが分からなくて、喋る事ができなかった。
早苗は俺のベッドの上に座っている。俺は公園のときの不安がまだ取り除けなくて、離れたくなくて、でも何も喋らないのに並ぶように隣に座った。
「もしも~し?」
早苗が自分の存在をしっかり見てもらおうとしたのか、無理矢理俺の体の向きを変えた。
「えへへ、構ってくださいよぅ♪」
そういって俺に抱き着いてくる。そのまますりすりと体を擦りつけて甘えてくる早苗を、俺はほとんど無意識のうちに抱き締めていた。
「ねっ、今日は初めてのデートで、初めてのお泊りでですねっ?……あなたと、色んな初めてを迎えることができて、私…すっごく嬉しいです」
俺は無言で、その言葉を聞いていた。
「それに、今日はもうずっと一緒ですね……。あなたが一緒の夜は、寂しくない…幸せです……」
やはり、俺は無言。
「……こんな私を愛してくれて、ありがとう……」
***