一気に腹が膨れれば、俺はそれでいいんだけど、そんなワイルドな食事は女の子である早苗にあまり喜んでもらえるとは思えない。何も考えてなかったらここで余計な時間を使っただろう。
だが、この出来事も俺の想定内だった。
俺か早苗の腹が鳴ったら合図、あらかじめここのレストランに行く!とデートプランの中に組んでおいたので、俺は迷うそぶりも見せず、あそこに行こう、と提案する。
そこそこ値の張るレストランだが、味は良いと評判。飯も美味ければ、きっと早苗も喜んでくれるはず、そう考えて言ったはずだったが――
「えっとぉ…」