一人でポワポワしている私を見かねてか、先輩は
「まあ元気そうじゃん。
じゃーな」
と身を翻した。
何をしに来たのかよくわからなかったけれど、『元気そうじゃん』って事は…少しは私の心配でもしてくれたんだろうか。
「先輩!」
頭の中が沸いたまま、私は勢いで先輩を呼び止めていた。
「せ、先輩が…先輩が生きててよかったです、嬉しかった!」
そんな事を言ったら、またくだらない事を、って怒られるような気がした。
でも、怒られてもいいから伝えたかった。
意外にも先輩は怒らずに随分と柔らかい表情を見せて、
「バーカ。
死なねーよ」
と、笑った。
「そうですね、はい、先輩は死にません!」
我ながら頭の悪い返答だとは思うが、舞い上がっていたから仕方ない。
先輩のせいだ、そうやって、ごく稀にだけど、優しい顔してくれるから。
だから私はあなたを想う事をやめられない。
私の発言に、イミわかんない、と彼は笑って、そして、
「お前もな。
命拾いできてよかったじゃん」
と言い残して、今度こそ自室へ戻っていった。
私を殺さなかったジルに、その時初めて感謝した。
生きてて、あなたと一緒に居れてよかった。
ちっぽけかもしれないけど、今の私にはそれで十分。
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