不思議なものだ、ジルを見た時、『先輩と全く同じ顔』と思ったのに。
こうして見ると全然違って見える。
パーツも、その並び方も、確かに同じなんだけど、でも…違う。
何やら真剣な(ように見える)表情で私を見ていた先輩は、ふと頬から手を放すと、今度は私の右のこめかみ辺りに手を移動した。
「…切れてる」
「ああ、それは…」
ジルに踏んづけられた時の。
ブーツの裏でぐりぐりされて、擦りむいたような傷になっていた。
お兄さんに足蹴にされちゃいましたよーあはは、くらいのノリで軽くその事を伝えたら先輩は、ふうんと興味なさげに相づちを打つ。
その声音は確かに興味なさげだと思ったのに、そのすぐ後に
「…やっぱオレが殺したかった」
そう呟いたものだから、私は即座に思い出してしまった。
フラン先輩の言っていた事を。
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