結局、辿り着いた時には、すべてが終わっていた。
あの後、ボスのいる古城へと向かったジルを追う私たちの元には、次から次へとミルフィオーレの制服に身を包んだ刺客が現れ、息つく暇もなかったのだ。
雑魚を瞬殺する二人の先輩の後ろで、私はワンテンポ遅れてやっとの事で敵を倒す。
なんたって私は丸腰だった。
ついていくのが精一杯、といったところ。
それでもなんとか二人の後について行った。
古城はもう酷い有様だった。
ジルと執事の姿はどこにもない、死体すらない。
何がどうなってこうなったのか、建物はほぼ壊滅しており、その真ん中で何事もなかったかのように椅子の上で微睡んでいるボスが異様に思えた。
さすがに多少の怪我はしているようだが、本人にしたら蚊に刺された程度なのだろうと思う。
その横で、ルッス先輩がこちらに手を振った。
この人も、ずっとここにいたんだろうに、どういうわけかとても元気だ。
スクアーロ隊長が、「生きていやがったか」と相変わらずの大声で話しかける。
レヴィ先輩は、血まみれになって死体のように横たわっていたが、やはり生きているようだ。
ここまで負傷していながら生きているっていうのも、逆に凄い。
その輪の中に、ベル先輩とフラン先輩が、二人ともやる気無さげな足取りで入っていく。
さすがに幹部勢揃いしている中に下っ端が一人入っていくのも気がひけて、私は途中で歩みを止めた。
生き残った同僚達の居る辺りで立ち止まる。
「お前、生きてたのか」と何人かが声をかけてくるのに対し適当に笑顔を返し、でもやっぱりボスを囲む輪に目線を戻して、私は一人で座り込んだ。
そう。
やっぱり彼らはこうでなくてはならない。
あり得ないほど強くてタフで、ずっと私の前にあり続ける、絶対的な。
追いつけなくていい、いつまでも私を走らせていて欲しい。
とか思って彼らを見つめていたら、今更になって目の前が潤んで来た。
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