「え、死んで…ないって…」

きょろきょろと辺りを見回せば、そこは現世とそっくりの———ではなくて、そのものだった。
私達がさっきいたその場所、そのまんま。
でもだって、さっき私たちは死んだはずじゃないか。
三人それぞれ、バーン、ボーン、ドカーンて。
その血の跡さえないって…

「ミーが術士だって事、忘れたんですかー?」

忘れてないけど…

だってあんなにリアルだったのに。
飛び散って触れた血の温度だって。
それに…あんな悪趣味な死に方をわざわざ幻術で作り出すなんて、普通思わないじゃないか。

「悪趣味で悪かったですねー」

心の中を読んだように、フラン先輩は口を尖らせた。

「気が付いたなら行くぜ。
バカに構ってる暇ない」

ベル先輩。

ベル先輩も———死んで、なかった———


2年37