———いや。
わかってなかった。
私はやっぱりわかってなかった。
だってこの二人は、ヴァリアーの幹部なんだ。
私は、ボスをはじめ、隊長やレヴィ先輩やルッス先輩、そしてベル先輩とフラン先輩…この人たちは、何があっても死なないんじゃないかって、思ってた。
私の内部でいつの間にか、彼らは揺るぎなく最強だっていう認識が出来上がっていた。
私はいつも彼らの背を追ってた。
追いつきたくて、でも一生追いつかないんじゃないかって思いながら。
私の中の、絶対的な存在。
それがなくなってしまったら、私はどうなる。
一緒に崩れてしまいそうだ。
それに、
それに。
想い人が死んで冷静でいられるほど私は強くない。
…これが、甘さだって言うんだろう。
捨てなければいけなかった感情。
捨てられなかった感情。
この感情がなかったなら、私はもう少し賢く立ち回れたんだろうか。
愚かな私は、ばくばく言う心臓を両手で抑え、フリーズした体の中で血が沸騰しそうになるのを食い止めるのに必死になっていただけだった。
何もできなかった。
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