嫌だ。

先輩。
先輩、先輩、先輩、

先輩が。

私の顔にも飛んで来た生暖かい血液が次第に冷えていくのを感じ、私はやっと悟る。

死んだ。
間違いなく。



『動揺するな』

頭の中に突如響いてきたのは、スクアーロ隊長の怒声だった。
動揺するな、味方が死のうが、上司が死のうが、んな事でいちいちビビってんじゃねぇ、動け、その時てめぇにできるだけの仕事をしろ。
隊長に何度も何度も言われた言葉。

そう、人が死ぬ事は今更そんなに珍しいことじゃないじゃないか。
今までだって、たくさん見て来た。
仲間が死んでいく姿。
そして私だって、同じように標的を殺してきた。
ここは戦場。
こんな状況だって、あっておかしくないって、わかってたはずじゃないか。


2年32