ヴァリアーに女ってのは珍しい。
全隊員の中で、女の隊員はほんの数割。(正確な人数は覚えてない、興味がないからだ)
男だろうが女だろうが(オカマだろうが)、強ければ認められ弱ければ死んで行く、ヴァリアーはそういうところだ。
やっぱり男の方が体力的に勝るところがあるんだろう、だから必然的に男の隊員の方が多い。

オレだって、使えるやつならば男でも女でもどうこう言う気はない。
だけどアイツは、あの女は、正直むいてないんじゃないかと思う、この仕事。
なんとか他の隊員についてってる根性は認めるけど、なんだかドンくさいし、何より性根が甘いんだ。
優しくして欲しがったり、優しくしたがったり、スカートがめくれるだの彼氏が出来たのフラれたのと、戦場に似合わない話題で一喜一憂しているあの女。
この非常事態になんでそんな事ばっかりに意識を持っていけるのか、オレにはサッパリわからない。
ヴァリアーは女子校じゃねぇんだよ、と言ってやりたい。
(と、スクアーロの前でぼやいたら、「お前のような、幹部の中で一番フザケた野郎に言われたくねぇと思うが」と言われた。
オレはいいんだよ、強いし、やる事はやってるし、なんたって王子なんだから)

暗殺部隊にそぐわないフワフワした笑顔で、ちょこちょこ先輩の後をついて回る小さな制服姿を思い出す。
あー、やっぱり全然似合ってない。
その制服も、武器も、血も。
でもそんな姿で、敵の男どもとそれなりに闘り合ってるんだから、女ってやつはホントわからない。
あいつが失恋した後、ストレス発散に誘ってやった時には、ものすげー勢いでバッサバッサと敵を薙ぎ倒してたっけ。
あれにはさすがのオレも閉口した。


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