多分ベルセンパイも同じ事を考えていたんだと思います。
だって、お互いのアホ面を突き合わせて会話しているセンパイの、言葉の端々に滲む憎悪と怒り、そして焦り。
いつも通りの軽い口調で兄貴の憎まれ口を返しているように思えるけど、隣にいるミーにはじわじわ伝わってくる。
二人の話を聞く限り、この双子はもともと超絶仲が悪かったらしい。
けれども、兄貴の方が余裕綽々で挑発してくるのに対し、センパイの方は、余裕のあるフリをしながらミーにわかるほどの激情を押さえ込んでいる。
それは、センパイより兄貴の方が勝っていたとかいう過去話のせいじゃないでしょう?
兄へ対する劣等感だとか、そんなものでこんな風に物騒なオーラを放っているわけじゃないでしょう?
聞きたいんでしょう、「彼女をどうした」、って———。


もっとも、それは聞くまでもなかったんですけど。

「お前は今、偉そうに天才名乗ってるみたいだけどさ。
弱っちい後輩の前でカッコつけてるらしーじゃん?

オレの送ったプレゼント、見た?
それとおんなじよーにしてやってもよかったんだけど。
この女もさ」

そう言って、バカ兄貴はより一層加虐的な顔をして笑ってみせた。
奴の合図で、ミルフィオーレの手下が二人、姿を現す。
死ぬ気の炎を纏った鎖に拘束された、小柄な女性…ミー達の後輩を連れて。


2年24