『思うんですけどー、センパイそんなんで頭のネジ抜けてるから、本当は祖国を追い出されたんですよー。
きっと家族とかに嫌われて帰れないからヴァリアー入ったんでしょ?』
『それはねーよ。
だってみんな殺しちまったもん。』
っていう会話を交わした後に、その殺したはずの家族が出て来るとか、フツーないじゃないですかー。
そんな安い怪談みたいな展開。
でも、目の前で空に浮かぶ椅子に偉そうに腰掛けてニタニタ笑っているその顔は、まさしくベルセンパイにそっくりでした。
頭のおめでたいベルセンパイをさらにおめでたくしたような出で立ちも、センパイに負けず劣らず自信家でナルシストなとこも、センパイより少し低い不気味な笑い声も、いかにもセンパイの兄貴って感じ。
ジルと名乗ったその人は、ご丁寧にもその昔ベルセンパイに付けられたという傷跡と、ベルセンパイと左右対称にあるという腹のアザまで見せて、「オレは本物だぜ」アピールをしてくれた。
ミーの術士の勘も、彼は幻術の類いではないと告げている。
はぁ、なるほど、と思いました。
あの悪趣味な死体を送りつけてきたのも、この人だったんだ。
あれを愉快そうに眺めていたベルセンパイの、兄貴。
血は争えませんねー。
あ、でも、そうなると。
もしあの死体になった男の一群が、すべてミルフィオーレに捕らえられていたのだとしたら。
彼女も…
あの後輩の女の子も、このアホ面した兄貴に捕まった、って事でしょうか。
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