にも関わらず、その日の夜。

「南はベルとフランだ。
ザコは好きに連れてけ」

「ゲッ。
オレがフランのお守り?」

ゲッ、と言いたいのはこっちですよー。

明日の夜には次の行動を開始する、と昨日の夜に言われた通り、これからミーたちは動き出す。
狙うは6弔花、白蘭の腹心の配下たちの一人。
相手がどんなやつかこちらは知らないけれど、恐らく捕まった同胞からこちらの情報は相手に漏れているはずです。
どんなのが相手でも、やっつけるだけですけど、それはいいんですけど。

どうしてよりによってベルセンパイと組む事になってしまったのか。
隊長は鈍感だからわからないんですよー。
今のベルセンパイは普通じゃない。
いや、いつも普通じゃないんですけど。
それに輪をかけて———危ない。
いつも通りに見えるかもしれないけど、絶対冷静じゃないんです。
理性を失ったら何をするかわからない。
いや、それも血を流せばいつもの事なんですが。
お守りをする羽目になるのは間違いなくミーの方です、引き受けたくない。

とはいえ、ここにおいてはこの鈍感でアホでカスでドカスな隊長の指示が最優先なわけで。

「いっぱい殺ってくるのよ~~~!!」

ルッス先輩の気持ち悪い激励を背に受け、ミーはベルセンパイと連れ立って古城を後にしたのでした。


2年10