「戻ってこねぇ」
銀色のロン毛をはためかせて、目の前の男は苛立たしげに舌打ちをした。
「何やってんだあいつらは…
幹部ナシで動かすには早かったかぁ」
スペルビ・スクアーロ作戦隊長。
ボンゴレの前に現れたミルフィオーレなる敵の組織を迎え撃つために、独立暗殺部隊・ヴァリアーの現場指揮を一手に任されたこいつの指示で、オレたちは敵の指揮官の城を攻め落とす事に成功した。
作戦隊長とは名ばかり、要するに「部下の面倒見係」とか「苦労係」と言った方がいいんじゃないのか、とオレは思う。
そういう面倒臭い役を押し付けられるのはいつもあいつだ。
偉そうに部下どもに指示を出している得意満面のツラを見ていると、本人も満更でもないのかもしれないが。
自分の判断で敵地に向かわせた部下の集団の一つがいつまで経っても戻ってこない事に、スクアーロは苛々を募らせているらしい。
出来の悪い後輩どもだ。
使えないったらない。
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