なんか急に恥ずかしくなってきた。
一人で空回ってたの、バレバレ、だったんだ…
硬直するオレを見て、彼女はくすくす笑って、さらに続けた。
「まーいきなりプロポーズはバカだと思ったけどね。
けっこー勢いで返事しちゃったとこあったけど…
でも、それも間違ってなかったと思うよ。
ホラ」
と、彼女は起き上がって携帯を手にすると、その画面をオレに突き出した。
『ベルと仲直りしてあげてね。
やっぱりベルは私のことがすごく好きみたいだから。
私じゃないと、ダメだって。
10年前の私より』
…絶句した。
顔がものすごい勢いで熱くなるのがわかった。
「…何…コレ…」
「作った覚えのない未送信メールがあると思ったら。
昔の私にも、心配かけたみたいだね?」
返す言葉もない。
真っ赤になって口元を押さえるオレを見て、彼女はまた意地悪く笑う。
思い出した、10年前の彼女が、この携帯をいじりながら同じ顔で笑ってた事。
…なんかもう、敵わない。
と思った。
「これからは、何があっても、あんな事しないでね」
うん。
本当にバカな事した。
ああいうやり方でしか、お前を守れないと思った自分が情けない。
大事なものは、ちゃんと自分の手で守らなきゃ。
今度こそ、オレは躊躇わず彼女を抱きしめた。
そして、「ありがとう」と囁いた。
彼女と、10年前の彼女に。
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