でも、実際彼女がここに戻った時、その姿を目にした時、思いも寄らない言葉が口を突いた。

オレは、あの日オレに傷つけられて出て行って以来初めて目にした彼女の姿にとんでもなく動揺して、感激して、頭の中真っ白になって、思わず彼女の両手をいきなり掴んで

「オレと結婚して」

って、言ってしまったんだ。

「もうどこにも行かないって、約束して。
もう、嫌だ、離れるのやだ、ずっと一緒にいるって約束して。
何があっても、絶対オレが守るって誓うから、つーか守らせて、お願い」






…ああ。



やっちまった。
せっかく謝る練習したのに、励ましてもらったのに、無駄になっちゃったかも。
なんつー女々しい、情けない、しかも何の前置きもナシに顔見ていきなりソレって、KYすぎ。
もうフォローのしようもない。

あれだけ色々考えた言葉は、頭の中から全部きれいに消えてしまった。
思いも寄らない、けど明らかに本音としか言いようがない台詞だけが残って、口から飛び出した。


目の前の彼女は、状況を把握できてないのかオレに呆れてるのか知らないけどぽかんと口を開けて固まっている。

彼女の背後で、オレの同僚どもが同じく不可解な顔で口を開けて固まっているのが見える。

彼女の目が、2、3度ぱちぱちと瞬きを繰り返した。

1年14