何言ってんの?
オレは狼だぜ!肉食だぜ!
あんたを食わせてよ!
…と言ってかぶりついてしまおうかと思った狼でしたが、にこにこと果物とパンを手渡す赤ずきんを見ていたら、言葉が出てこなくなってしまいました。

狼「あ、ありがとう…」

しかたなく狼は、果物とパンを食べました。
こんなもんで腹がふくれるかよー、と心の中で呟きながらも、赤ずきんの笑顔を前にしているとなんだか気持ちがおとなしくなってしまいます。

狼が食事を終えるのを待って、赤ずきんは狼に尋ねました。
(そうだわ、この辺に花畑はないかしら?)

狼「花…?」

(病気のおばあ様に持っていってあげたいの。
あまりおかげんがよくないと聞いたから…)

狼「ふーん…」

赤ずきんが笑顔を曇らせるのを見て、狼は少しだけせつない気持ちになってしまいました。

狼「花畑なら…知ってるよ。
ついておいで」

赤ずきん9
赤ずきん8