(あら…あなた狼だったのね!
見たことがなかったから、知らなかったの)
狼「し、知らなかったぁ?」
(お母様はとても怖い生き物だと言っていたけど…嘘だったのね。
あなたはとても優しくて、かわいいもの。
それに…結局私を食べなかったじゃない。)
狼「………」
狼は、ベッドに横たわったままの赤ずきんを上から見下ろして言いました。
狼「…オレは…お前を食べることができないみたいだ」
狼は、まるで大きな猫のように、赤ずきんの首元に額をすり寄せました。
狼「なんだろう?この気持ち…
お前といると、心が穏やかになってくる。
ねえ、オレは狼だけど、お前を食べないって約束するよ。
だから…」
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赤ずきん20