狼は、赤ずきんをベッドの上に押し倒し、その喉元に食らいつこうとしました。
でもやっぱり、その直前で、狼は止まってしまうのでした。
ベッドに押し倒されたまま、赤ずきんはこれまでおばあさんだと思っていたその人の顔をよく見ました。
(あなたは…おばあ様じゃなかったのね。
今日森で会った…)
狼「…お前、なんで怖がらないの?
オレが怖くないの?」
(怖い?どうして?
あなたはとても優しかったわ。
花畑の場所を教えてくれて…)
赤ずきんはにっこり笑ってそう言います。
狼は、おばあさんの服を脱ぎ捨てました。
凶悪な爪が、人にはないしっぽが、とがった耳と鋭い牙があらわになります。
狼「オレは狼だよ。
お前を食べちゃうんだ。
それでも…怖くないの?」
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赤ずきん19