そんな魔法の鏡の唯一の楽しみは、王がいない時を見計らって遊びにいらっしゃる白雪王子とお話する時間でした。

白雪「うしし、遊びに来たよ。
お父上はいないよな?
お前も毎日アレに付き合わされて大変だよなー」

(白雪王子…また厨房に入られて盗み食いをされてきたのですか?)

白雪「お、さっすが魔法の鏡。
なんでもお見通しだね」

(そんな事、魔法を使わなくてもわかります。
お口の周りが汚れていますよ)

白雪「えっ、マジマジ?」

そんな他愛もない会話をして過ごす時間が、魔法の鏡は大好きでした。
いつも、白雪王子が遊びに来るのを心待ちにしていたのです。

そして…いつしか魔法の鏡は、白雪王子に恋心を抱くようになってしまいました。

白雪7
白雪6