「嬉しそうだね、ベル」

「やかましい。
…お前だって、また抱っこしてもらえるーって思ってんじゃないの」

「な!!
僕を君と一緒にしないでよ!!」

お前も赤くなるな。
なんなんだ、何気にここでもモテてんのかあいつ。
困ったね、ライバルが多いみたいだ。

「…来やがったか、小娘」

「ボス」

「どうせまた来るんだろうと思っていた。
てめえに貸した部屋はそのままだ。
好きに使え」

「…ありがとうございます…」

…ちょっとビックリ。
部外者をここに入れてること、いい顔してなかったはずなのに。

「ありがとう、ボス」

オレも思わず礼を言う。
フン、と、機嫌悪そうな顔をして帰っていくボスの背中に、オレは深々と一礼した。

「みんな、優しいね」

と、姫が笑う。
それは、お前だからだ。

みんなお前が大好きなんだよ。
きっとみんな、お前と一緒にいたいんだ。
オレとおんなじで。
…まあ、その中でも、オレは特別でありたいわけだけど。

だからずっと隣にいて。
オレを隣において。
もう、迷ったりしないから。

大好きな、オレのお姫様。
半年31