そーっと、そーっと、オレはガラス戸を引いた。
簡単に開くもんだ。
一歩その中に足を踏み入れる。
足が、震えてる。
いいのか。
本当にいいのか。
問題がなくなったワケじゃない。
こいつは普通の女で、オレは普通じゃない。
それは結局のとこ、変わってない。
でも、どこかに一緒に歩ける道があるなら、苦労してでも探したい。
今は、そう思う。
アイツは、オレの可愛いお姫様は、ベッドの中で静かに寝息を立てていた。
少し、痩せたか。
あんまり幸せそうな寝顔じゃなかった。
オレと一緒に居た頃は、もっと呑気な顔してたハズだ。
こんな風に、眉間にシワ寄せて寝てなかったよな。
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