そーっと、そーっと、オレはガラス戸を引いた。
簡単に開くもんだ。
一歩その中に足を踏み入れる。
足が、震えてる。

いいのか。
本当にいいのか。
問題がなくなったワケじゃない。
こいつは普通の女で、オレは普通じゃない。
それは結局のとこ、変わってない。

でも、どこかに一緒に歩ける道があるなら、苦労してでも探したい。
今は、そう思う。

アイツは、オレの可愛いお姫様は、ベッドの中で静かに寝息を立てていた。
少し、痩せたか。
あんまり幸せそうな寝顔じゃなかった。
オレと一緒に居た頃は、もっと呑気な顔してたハズだ。
こんな風に、眉間にシワ寄せて寝てなかったよな。

半年26