「本当にそれでよかったの、ベルちゃん」
「ん?何が?」
「最近のあなた、ヘンじゃない。
昔よりももっと残酷になったじゃない。
荒れてるようにしか見えないわ」
「そりゃ荒れもするさ。
好きだったもん」
「…別れるしか、道はなかったの?」
「知らない。
でも、これが一番妥当だろ?
別にいいさ、オレはこれで。
やっぱオレにはこっちの世界がお似合いだって、よーくわかったし」
「そう…
あの子は、どうかしら。
私は、あの子が心配だわ。
毎晩泣いてやしないかしら、辛い思いをしてるんじゃないかしら、って」
「そんなこと。
まあ少しも落ち込んでなかったら逆にこっちが凹むけどさ。
そのうち忘れんだろ。
女って、強いらしーじゃん。
次ができりゃあ、昔のことなんてすぐにどーでもよくなるさ。
オレのことは、人生の黒歴史として記憶の底に隠蔽されんの。
あー悲しいねー」
「…ベルちゃん」
「ん?」
「泣きたかったら、泣いてもいいのよ?
私の胸で…」
「気色悪い、どっか行け」
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