それから彼女には会っていない。
部屋に戻ると、さすがにもうアイツはいなくなっていて、一人だけの部屋にいたらこれまでの楽しかったこととか思い出して、なんだか少し泣けた。
オレにも涙なんてあったんだ、って久しぶりに思い出した。
アイツと離れてからのオレは、それはもう狂ったように毎晩血を浴びていた。
それしかすることないから。
無駄に殺りすぎてボスに叱られるくらい、たくさんたくさん、殺した。
だってアイツと会うまでは、これこそが生き甲斐だったんだ。
これでしか、満たされなかった。
生温かい血液を感じるたびに、このためにオレは生まれてきたんだ!って実感する。
同僚すらオレを恐れるくらいに、最近のオレの殺しの腕と猟奇性は冴え渡っていた。
そうして一通り満足した後には、「こんなことしてたらもう絶対絶対アイツには顔合わせられない」って思ってどん底まで気分が落ちるんだけど。
それでよかった。
そうやって自分に言い聞かせる。
絶対に絶対に会うべきではないんだと。
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