「昨日のって…
なんで知ってるの?
…見てた?」
「見てた見てた。
いいじゃん、良さそうなヤツじゃん。
まだ返事してないんだろ?
オッケー出せば?
なかなかお似合いだったぜ、一緒に帰る姿。
お前も、楽しそうにしてたじゃん。
まんざらでもないんだろ?」
「あの人は…友達としては、好きだけど。
ちゃんと断るつもりで」
「断っちゃうの?
もったいないぜ。
せっかく好きって言ってくれてんだからさ。
大事にしたら?
あいつなら、きっとオレより優しくしてくれるよ。
話も合うだろうし」
「…でも、私が好きなのは」
「…オレ?
いないことにされてたけどな、昨日」
「………」
「彼氏はいません、だろ?
人に言えないような男と付き合ってても、苦労するだけだろ。
あいつなら、いいんじゃないの。
ちゃんと紹介できるだろうし。
オレも結構傷ついたんだわ。
オレも、同業のヤツと付き合えば気兼ねしないし、色々分かり合えるんだろーなー。
次はそうしようと思ってさ。
カタギはダメだわ、やっぱ。
もうこれ以上、しんどい思いしたくないの。
つーわけだから。
さようなら」
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