「デ〜ネ〜ブ〜……」背後から侑斗がデネブの肩を掴んだ。
「シイタケ入れんなって言ったろうがー!」
侑斗の怒りの眼差しにデネブの体がピクッと震えた。
「侑斗、シイタケもちゃんと食べなきゃ……」
だが、それ以上デネブはなにも言えなかった。デネブの関節を侑斗の手足が絡め取っていた。
腋の下に侑斗の腕が入ってくる。
関節が固められ、呼吸が苦しくなった。
謝る、ごめん侑斗!
デネブの意識が一気に遠のいていく。
デネブは激しく抵抗した。シイタケを小さく刻み、炊き込みご飯に混ぜ込んだ。
図鑑・デネブの涙