2017-07-05
不意の雨にやられてしまった。文花帖は守り通したもののびしょ濡れだ。まったく。
今日は氷精の行方を追って霧の湖まで飛んだのだが、やれやれいつの間に夏が到来してしまったのか、曇ってはいたものの熱気が立ち込めていて暑さにやられそうになってしまった。かの氷精はというとそんなことお構いなしにだいぶ元気に飛び回っていた。少々肌が焼けているように見えたが……溶けないの?
氷精に涼ませてもらった後の帰り道にぱらぱらと降ってきた次第。山に帰ったころには雨はやみ、涼しくなっていたが、残念ながら今日はいい感じなネタに巡り合えなかった。もう少しだけ飛び回ってみようかとも思うが、ひとまずは冷えた体を温めることにしよう
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2017-07-17
幻想郷には季節によって様々な「色」がある。春には桜景色が心まで華やかにしてくれるでしょう、夏には天色の青空が心を刺激してやまないでしょう、……とまで書いたが、しかし私個人としては夏は嫌いなのだ。暑いし、梅雨はじめじめするし。あーもー、暑い。
というわけで私は現在天狗の里のカフェにいる。河童特製の冷房が完備されており、夏の間ここは天狗たちの憩いの場となっている。無論私にとっても例外ではなく、かれこれ数十分ほど一人で涼んでいる。今日はもう脱稿したし、一日中こうしていたい。○○がここにいてくれれば退屈せずに済むのだが、残念だがあの人をこの里にまでは入れることは出来ない。しょうがないからもう少ししたら私の方から○○の元まで向かうとしよう。なにか冷たい飲み物でも持っていってあげれば喜んでくれるだろうか
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2017-08-02
今日の朝はなかなか過ごしやすい気温だったのだが、いつも通り里まで来てみたら予想外に暑くて驚いた。
軽く○○と話したが、空を飛んでいる方が涼しいし、今日はちょっと取材に出掛けよう。なんてったって日差しが強い、このまま焼き鳥になるのは流石にごめんだ。魔法の森あたりなら日差しを気にしなくてもいいかもしれない。普段はあまり足を運ばないし、気分転換にもなるかも。ついでに面白いネタでも見つかれば御の字よね
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2017-08-15
最近は色々あって疲れた。この文花帖にも何度かメモしていたが、これまでの異常気象はやはり異変だったようだ。なんとか解決することが出来たが…やれやれ、私としたことがここまで苦戦することになるなんて。
しかし代わりに上質なネタに巡り合えたのも確かだろう。あの方にも他の天狗から取材を受けないように言うことが出来たし、苦労に見合うものは手に入るだろうという確信はある。なんたって大スクープ! 次回の新聞大会は上位までくい込めるかしら? いやぁ絶好調。近い内に山に来るはずなのだが…、いやはや楽しみだ
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2017-08-22
今日はアメリカという国で皆既日食があったらしく、人間達がこぞって見に行ったらしい。不思議なもので、昔は日食は凶事とされ恐れられてきたのだが、現代では誰もが喜んで太陽を仰ぎ見る。なかなか面白いものだ。
そういえば、幻想郷では日食を見たことが殆どない気がする。五年位前に一回見たかしら? 去年も部分食があったっけ。記事にした気がするし読み直してみようかしら。
この幻想郷に住む人間が生きている間に見られる回数はそう多くないだろうし、日食の日は是非とも空を見上げて欲しい。
ちなみに私は皆既日食が一番好きなのだ。太陽が完全に隠れて暗くなったあの瞬間。なんだかロマンチックでしょう?
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2017-09-07
昨日で外の世界から来た人間である○○と出会ってから半年になる。季節で言うならおおよそ春の始まりから夏の終わりまでを共に過ごした、ということだ。
長かったような短かったような。時間の過ぎ去るスピードというのはその時の気分とか、ものの見方とかで変わるもので、辛い時や寂しい気分の時はどうにも時間の流れが遅く感じるものだ。反対に嬉しい時や楽しい気分の時は早く感じる。
私も山で面倒くさい仕事を押し付けられた後の帰りはどうにも足取りが重いものだが、晴れた日に里まで下りてあの人に会いに行くというのであれば疾風のごとき速さで飛ぶものだ。蒸し暑い夏の日に午後二時を指す時計に舌打ちもすれば、秋の涼風に誘われるまま昼寝して、いつの間にかカラスが鳴き始める時間だったりもする。
この「感覚」というものは大事だ。長く苦しい時間を味わい続けた妖怪は早く老いる。大して年の離れていない「はずの」大天狗や鞍馬天狗諸氏を見ていると、ならばやはり私は幸せ者なのだろう、と思うのだ
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2017-09-12
○○と話していると分からない言葉や物をたくさん教えられる。私は千年以上生きているそれなりに長生きな妖怪で、年齢に見合う程の知識や知恵を身につけているつもりだ。しかし私は幻想郷に住む妖怪であり、外の世界の事に関する知識はあまり持ち合わせていないのだ。
そんなこと当たり前ではあるのだが、「知らないのは当たり前だから知らなくてよい」と思考停止するつもりはない。「頑固な老人になるつもりはない、いつまでも子供のような知的探求心を持ち続けたい」という感覚が私を私たらしめるのならば、私はまだまだこの感覚に身を任せていたい。
なんて言ったっけ。そうだ、無知の知。誰の言葉かは忘れたけど。私は○○の事をまだ多くは知らない。他の妖怪も、人間も、きっと知らないだろう。だからか、レッテルを貼って知った気になるのだ。「外の世界から来た人間は幻想郷にとって危険な存在」。そんな古臭い固定観念を持っている妖怪はこの山でも少なくない。知ることに関して怠けてきた者たちは特にそうやって知ったかぶりをする。
一理ある、確かにそうかもしれない。だが何故「そうではないかもしれない」という考えを抱けない? 何故知ろうとしない? 私たちは皆ゼンマイ仕掛けのからくりなんだ。一度歩みを止めてしまったのなら、もう一度誰かがゼンマイを巻いてやらねば二度と前へは進めない。
「今日のお天気」からでもいいから、私の記事を読んでものを知るということの喜びを思い出してほしいのだけれど。
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名前:射命丸 文
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むしろフェイバリット!
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