2017-03-16
 今日は一日中寝て過ごしてしまった。○○と話す時間があまりとれなく、猛省。
夜になると○○の方から遊びに来てくれたのが嬉しかった。たしかお酒があったはずだし、今日は宅飲みといこう。外の世界から来た人間に幻想郷の酒の味を教えてあげようじゃないか。つまみはないが、長話こそが酒の肴に相応しいだろう
好感度は17%


2017-03-17
 今日は変な箱型の機械を拾った。名前は英語で書いてあったが、英語なら私でも多少は読める。…「WALK MAN」直訳で歩く男…?
ボタンがいくつかあり…中に何か入れることが出来そうだ…。しかし歩く男、こいつはいったいなんなのだろうか。特殊な機械でも入れると歩くロボットにでも変形するのだろうか?名前からしてそんな感じがする。ボタンはきっとコントローラーだろう。左右の移動と…このLEFTとRIGHTというのは左右の腕の上下かな。うん、たぶんそんな感じだろう。河童が大喜びしそうだ。
元は外の世界のものとみて間違いないだろう、○○に聞いてみて答え合わせといこう。半分くらいは当たっているだろうという自信はあるが、果たして歩く男の真実は?
好感度は18%



2017-03-19
 今日は人里で小規模な将棋大会が催されていたのでなんとなく見に行った。八人程度の棋士と少ない観客たちが場を埋めていた。観客の中に子供の姿が無いのは、どうにも将棋というのは「大人の遊び」という印象が強いかららしい。奇しくもこの射命丸にも将棋は「大人の遊び」に感じてしまうだけの苦い思い出があった。
将棋というのは先を読むゲームだ。二手、三手と先を読み、相手の駒をうまく取れるよう常に最善の位置を探す。天狗は人間よりずっと頭の回転が速いのでそういうことは得意分野だ。無論私にとってもそうであったが、私は人一倍それが得意であった。
子供のころの私は同じ年代の天狗の中に敵はいなく、大人にだって勝てた。そんなある日私は大天狗様と対局する機会を得た。名誉なことであり、私はここでもし勝つことが出来れば皆が褒めてくれるだろうと思っていた。
対局も中盤、私は優勢になる流れを作っていった。すると見ていた周りの天狗もそのことに気づいたのか、空気が変わったのが嫌でも分かった。あのぞくりとした感覚は今でも忘れることはできない。その瞬間「私はここで勝ってはいけないのだ」ということを悟った。皆が望むのは「私がここで大天狗様に負ける結末」であることが全身に伝わってきた。
私は…悪手を打っていった。心なしか、周囲の安堵のため息が聞こえた気がしてそれに安心する自分がたまらなく嫌だった。
「参りました」と投了する夕暮れ。歓喜の声をあげたのは人間達か、あの日の天狗達か。将棋大会の優勝者が決まった中、大人になってしまった自分は強くなくとも将棋を純粋に楽しめる人間達を羨ましく思うのであった。
好感度は19%

※同日追記
 大人になるということはどういうことかなんて人それぞれ、様々な解釈があるだろうが、「苦いものを受け入れられるようになる」という考えは遍く通じるのではないだろうか。私にとっては、負けることが得意になってしまったあの日の対局だっただけで、失恋をして成長できる人もいれば、コーヒーを飲めるようになっただけで「大人になった」と思うような人もいるだろう。
様々な大人へのなり方は様々な大人を生み出す。○○はどのような大人だろうか。どうか私のようなどうしようもない大人にはなって欲しくないが。そもそも私は子供に戻りたいのだ。あの苦い思い出を振り切り、何にも屈せずただ自分の求めた真実を清く、そして正しく掴み取りたいのだ。
半年ほど前、「接待」将棋をした日があったのを思い出す。未だ子供には戻れない私は、せめて心の中だけででも毒づくのだ。「さぁ、手加減してあげるから本気でかかって来なさい」って、負けるのが大嫌いな自分を押し殺しながら。
好感度は20%


2017-03-20
 今日はコーヒー豆を切らしてしまったので里に買いに出かけた。といってもインスタントなのだが。実はコーヒーを飲むようになったのはここ数十年くらいで、新聞の締め切りに追われているときの眠気覚ましに飲んだものだった。最初は砂糖も何も入れずに飲んでしまったのであまりの不味さに眠気が吹っ飛んでしまったのを思い出す。
後日砂糖やミルクを入れるものだと知った時は流石に少々恥ずかしくなった。それまでに数杯ブラックを飲み干していたので余計に。…買ったものは飲まねばという精神が働いたのだ、しょうがない。
今では眠気覚ましとしてではなく、嗜好品として楽しむことにしている。コーヒーが好きになったというのもあるし、締め切りに追われるほど未熟ではなくなったという意味もあるだろう。今では砂糖二杯にミルクを少々入れている。
そろそろあの人も来るだろうか。春が近いとはいえ、まだ少し肌寒い。今日はコーヒーを淹れてあげるとしよう。気に入ってくれるといいのだけれど。
好感度は21%


2017-03-21
 今日も○○と一緒に時間を過ごした。本日も何事もなく平和な日であった。こんな日を共に過ごせる相手がいるのは良いものだな、と素直に思う。ブン屋としては事件を望むべきかもしれないけど。
そういえば最近はあの人について知らないことが少しずつ増えてきたかもしれない。人里での交友関係は?普段はどんなことをしているのだろうか?鈴奈庵の店主まで○○と知り合いだというのは驚いた。まぁ新聞に書いたのは私だから当然と言えば当然だが。もうあの人も里では十分に顔が知れているだろう、「里の人間」としてこの世界に受け入れられるのも時間の問題かもしれない。どこかの誰かが横槍を入れてくる気配もないし、一安心だ。
好感度は22%

名前:射命丸 文
好感度99%

むしろフェイバリット!

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