2020-02-03
本日は節分。というわけで毎年恒例になりつつある妖怪の山で恵方巻を流行らせてやろうの会……もとい宴会を今年も執り行ってみせた。なのだが、一昨年、昨年と行ってきた布教活動の結果か、やはり捻れ伝わってしまっていたようで、私が少し目を離している隙に昨年の賢かった奴が既に恵方巻をお手頃サイズに切り分けていたし、他の奴らも恵方を向いて黙って食うということはできそうにないほど盛り上がっていた。
これでは本末転倒だと待ったをかけようとしたのだが、会場は明るい雰囲気に包まれていてみんな楽しそうに見えたので諦めた。みんなの願い事なんて、こうやって楽しく過ごすことだろうし、それを考えたら「恵方を向いて黙って最後まで食べる」なんてことをしなくても既に願いが叶っていると言える気がする。
外の世界のそれとはだいぶ違うけれど、これはこれでいいのかもしれない。今日の記事は我々天狗流の恵方巻だ。『長い恵方巻を作ったら出来る限りみんなで食べられるよう切り分けましょう。そうしたらお酒を持ち寄ってみんなで卓を囲み、たくさん笑いましょう。笑った数だけあなたのもとに幸せが訪れます』うん、なかなか素敵な記事になりそうね
好感度は92%、話題14追加
2020-02-14
バレンタインがやってきた!この日のためにチョコ作りの練習をし続けていたが、とうとうその修行の成果を試すときがやってきたようだ。チョコレートを混ぜに混ぜてきた右手が痛むので、ここらで筆をおこう。
喜んで欲しいな
好感度93%、写真帳に写真を入れた
2019-03-08
いつの間にやら○○と初めて出会った日から三年経っていた。時が経つのは本当に早いものだ。里で○○を観察していると、私なんかがいなくても十全に生きていけてるようで、それを見るたび安心するような気持ちと、それとは逆に、もう私は必要ないのだろう、という少々寂しいような気持ちも胸に残る。
でもあなたは私に微笑みかけてくれるし、触れ合ってくれる。私の心を満たしてくれる。私も、せめてあなたの心だけでも満たしてあげられてると良いのだけれど。
好感度は94%
2020-03-21
先日、私の友人が飼育していた猫が亡くなったそうだ。大事に育てられてきた子で、半ば化け猫に近い存在になっていたが、完全に妖になるよりも先に命の灯火が燃え尽き、その六十六年の生を終えた。……そんなことを私はカフェで聞かされた。
今日は彼女のもとに多くの鴉天狗が訪れたそうだ。しかしそのほとんどは愛猫を亡くした彼女のお気持ちを取材しに来ただけのようで、鬱陶しく思った彼女は里まで飛び出して来たらしい。
あの猫は実質天狗の里全体で飼っていたようなもので、多くの天狗に可愛がられていた奴だった。しかし、一度死んでしまえばああいう手合いにとってはネタでしかない。あいつらはきっと、あの子を一度だって撫でたこともないような薄情な連中なんだ。
私はまともな記者だろうかと訊ねて肯いてくれる人妖はそうそういないとは思うが、こんな私にもモラルはある。そもそも暗い出来事は好きじゃないし、人の哀しみをひけらかして飯を食うような記者にはなりたくないんだ。
胸に蟠りを感じながら彼女と別れて家路に向かう。その途中で、普段足に纏わりついてくる小さな存在がいないことに私はようやく気が付き、それを目敏く察知した憂愁が、私の胸にぽっかりと、小さいとは言い難い程度の穴を空けていった。
好感度は95%
2020-05-26
ぽかぽかと暖かい日が続いて気分が良い。今日私は何か面白い物を求め香霖堂を訪ねていた。しかしここの店主は相変わらず物を売る気があるのかないのか。ネタに飢えている私としても引き下がるわけにはいかないので、せめて何か要らないものはないか聞いてみた。すると彼は「要らないものなんてないけど」と前置きした後、ポータプルラジオという物を私に差し出した。なんでも、音声信号を電波を介して受信するものらしいが、そのやり方がよくわからず、そもそもの動力源の電池がないことから動かすことを断念したらしい。
動力の問題を解決してもらうために河童を訪ねた後、私は何か面白いもの……例えば宇宙からの信号とかを受信できないものかとポータブルラジオを持ってふらついていた。
一時間ほど経っただろうか、特に成果はなくがっかりしていた私は博麗神社に来ていた。霊夢はちょうど留守にしており、しょうがなく帰ろうとしていた時、何処かから音楽が聴こえてきた。蓄音器ではない。そんな高尚な物がこの神社にあるとは思えないし、音はもっと近くから聞こえた。私のポータブルラジオだ。
そうか、ここは博麗神社。外の世界に限りなく近い場所ともいえるし、電波の入りが良いのかもしれない。ざぁざぁと雑音があるものの、ギター混じりの穏やかで少し儚げな曲調の歌が流れてくる。優しくどこか情熱的な声色の女性歌手が度々発音する流暢な英語が耳に心地よかった。
しばらくするとラジオの進行役の声が入り、曲は終わった。そういえば現在外の世界では流行病のせいでなかなか外に出られない人が多いと聞く。そんな人たちも何となくラジオをつけて音楽で心を癒したりするのだろうか。それを考えると、ラジオの進行役のお仕事は「人の心を癒す仕事」とも言えるかもしれない。私の新聞もそうやって誰かの心を少しでも楽しい方向に向けたり、何かに関心を持たせたりして、ほんの少しだけでも豊かにできていると良いのだが。
好感度は96%
2020-07-28
人は何かが恋しくなる時がある。暑い時期は冷たいお茶が恋しくなるし、逆に寒い時期は温かいココアでも飲みたくなるし、人里の真昼間の喧噪の中を歩くときは朝方の静かな山が恋しくなる。何かが恋しくなる時は大抵、本当にそれが必要なことが多い。
今現在私といえば一人で部屋にこもって記事を書いていたものでどうにも外の風が恋しい。今日は外に出かけよう。○○だって恋しい。あの人もこんな風に、ふと誰かを恋しく思う時があるのかな
好感度は97%
名前:射命丸 文
好感度99%
むしろフェイバリット!
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