女の子
「ゆうぎり?」
楼主
「お前の名前だ、有名な花魁からとったんだろうよ。あと今日が七夕ってのもあるだろうがな」
ゆうぎり
「ゆうぎり・・・」
《次の年の七夕、約束どおりに俺は来た》
ゆうぎり
「あい♪」ペペンペン
女衒
「《三味線が弾けるようになったか。大したもんだ》」
楼主
「本当に逸品でしたぜ旦那。ゆうぎりは飲み込みが早いし筋もいい」
女衒
「《だろう?俺も鼻が高いぜ♪》」
ゆうぎり
「あい♪」にこにこ
女衒
「《いいだろう、約束通り琴はやる。また来年来てやるよ》」
《七夕になるたびに俺は夕霧の成長を見て、土産やら褒美やらを与えた》
ゆうぎり
「あい♪」にこにこ
花魁
「ゆうぎり?その扇子、あの旦那から貰ったんでありんすか?」
ゆうぎり
「あい♪」
花魁
「わっちも姉として鼻が高いでありんすなあ」
《愛想もよく、愛嬌がある。幸いでもなく必然的に夕霧は遊郭でも愛される子となっていた》
女衒
「《どうだ夕霧、虐められたりしてないか?》」
ゆうぎり
「みなはん良くしてくれるでありんす。わっちは幸せもんですえ♪」
女衒
「《お前もだいぶ大きくなったな。いくつになる》」
ゆうぎり
「十五になりんした」
女衒
「《15か。もう客は取ったのか?》」
ゆうぎり
「お話するだけでありんす」
女衒
「《なんだ水揚げはまだか。まぁ17になる頃には床入りもせにゃならんし時間の問題だな》」
ゆうぎり
「床入り・・・」
女衒
「《なんだ?知らないわけでもないだろ》」
花魁
「ふふっ♪この子、前にわっちが床入りしている最中を見てしまったんでありんすよ」
ゆうぎり
「あい・・・///」
女衒
「《ははっ!初いやつだな♪そんなんじゃ立派な花魁にはなれんぜ?》」
ゆうぎり
「あい・・・」しゅん
女衒
「《・・・・・・もしかして怖いのか?》」
ゆうぎり
「そんなことは・・・」びくびく
花魁
「心配しなんし、水揚げの相手は手練で優しくしてくれるでありんすから♪」
ゆうぎり
「あい・・・」
そして翌年