女衒
「《ひらがなも書けない内じゃ読めもしないだろう》」
女の子
「~~~」
女衒
「《読み方が気になるのか?》」
女の子
「!」うんうん
女衒
「《いいだろう・・・せっかくだし読み書きも教えておくか・・・その文字はな》」
「《【愛】》」
女の子
「あい?」きょとん
女衒
「《そう、愛だよ。今日お前の親から失ったものだ♪いや、もともとあったのかも疑わしいけどな》」
女の子
「?」
女衒
「《ふっ・・・分からんか。その方がいいだろうがな》」
女の子
「あい・・・あい・・・」
女衒
「《というか初めて声を聴いたな。随分と可愛らしい声じゃないか、ますます遊女向きだな♪》」
女の子
「あい・・・あい・・・あいー♪」きゃっきゃっ
女衒
「《なんだ、気に入ったのか?ははっ!笑った顔もいいじゃねぇか!愛嬌があるぜ?》」
女の子
「あいー♪」テンテンテン
《俺はこいつに琴以外にも教えられる事を叩き込んだ》
《つい夢中になり翌日は昼まで寝過ごすほどに徹夜してしまった》
《そして夕方になる頃、こいつを遊郭へと売りに行った》
翌朝