名前:巽幸太郎と伝説のフランシュシュ

蘇った回数58.SAGA

ナイスよかったい

《●●の持つ一番古い記憶は6歳の誕生日》

《時は2008年の4月9日であった》

《その時の父親と担当医の会話内容もハッキリ憶えている》

《もっとも父親とは血の繋がりもなく、この時すでに養子となる話も進んでいたようだ》

《担当医の話によれば心因性のショックで●●は自分が何者なのか記憶を失くしてしまったらしい》

《だが●●は失った記憶にさほど興味もなく新しい父の事もあるがままに受け入れた》

《義父は聖職者で教会に勤めていた。人助けの尊さを教わり●●は教えに従った》

《だが●●は別に感動や損得といった感情で人助けをしたわけではなかった》

《ただそう教えられたから従っただけなのだ。嫌だと思う感情すらも●●には無かった》

《ヒマがあれば外で大小あれど人助けに勤しみ、軽い怪我こそすれど●●は健やかに育った》

《そうして5年の月日が流れ11歳の誕生日を迎えた日、義父はたまには家で休むよう●●に言った》

《●●は言われるがままに従い家で休み、義父が午前の仕事を終えるのを寝ながら待った》

だが・・・
デッドオアバースデイSAGAその一