ゆうぎり
「もしかして、今日がわっちの命日と知って断ったんでありんすか?」
●●
「それもある」
ゆうぎり
「ふふっ♪あん子らには悪いですが、これも約得でありんすなあ♪」ぎゅっ
●●
「外ではあまりくっつくな。人に見られたら面倒だ」
ゆうぎり
「いけずやなあ。屋敷やと愛はんに邪魔されんしょう?」
●●
「それは自分でなんとかするんだな」
ゆうぎり
「しかし、わっちの命日・・・“憶えて”おいてくれたんですなあ」
●●
「・・・・・・あぁ。“知って”いたさ」
ゆうぎり
「わっちがどうして死んだのかも・・・でありんすか?」
●●
「マネージャーだからな」
【遡ること明治15年】
ゆうぎり
「次が最後・・・でありんすか?」
女衒
「《あぁ、次の地で旅はおしましいだ》」
ゆうぎり
「ふふ♪なんやあっという間にも感じますなあ・・・」
女衒
「《そこでの仕事が終わったら、ゆうぎり。俺の嫁になってほしい》」
ゆうぎり
「ほんざんすかえ?」
女衒
「《俺がお前に嘘を吐くか?》」
ゆうぎり
「そうでありんしたか?ふふ・・・でも嬉しおす♪」ぎゅっ
女衒
「《だが、その前に俺の方で一仕事ある。それまで待っていてくれるか?》」
ゆうぎり
「それって・・・探していた方に当たりがついたいう事でありんすか?」
女衒
「《おっと、バレてたか?お前には隠し事はできんな♪》」
ゆうぎり
「妬いてしまいますなあ・・・女ですか?男ですか?それとも愛人?」
女衒
「《男だよ。あとそっちの趣味はない》」
ゆうぎり
「あい、知っておりんす♪」
《俺が探していた奴》
そいつは・・・