●●
「どうした」
さくら
「そういえば●●くんも記憶喪失やったとやね?」
●●
「ああ」
さくら
「自分ん過去とか・・・気にならんと?」
●●
「気にならないと言えば嘘になるが。どうしても知りたいというほど興味は沸かない」
さくら
「えぇ・・・普通は自分が何者か気になるもんやなか?」
●●
「俺は普通ではないからな」
さくら
「はいはい・・・天っ才!やもんね」
●●
「かれこれ10年以上はそのままだが不便はない」
さくら
「10年以上・・・そういえば私も死んで10年は経ってゾンビになったんやった」
●●
「似てるとでも言いたいのか?」
さくら
「えへへ♪お揃いやね!」
●●
「まるで違う」
さくら
「なして!?」ガーン
●●
「たしかに経過した期間は一致するが、生死の違いは大きいだろう」
さくら
「うん・・・私やったら10年も記憶が戻らんのは耐えられんね」
●●
「だろうな」
さくら
「ねぇ●●くん・・・本当に気にならんと?もし私が知りたかて言うたら思い出すと?」
●●
「・・・それは」
幸太郎
「おいこら」
さくら
「幸太郎さん!?」
●●
「先生・・・もうレッスンの時間でしたか」
幸太郎
「遅刻は厳禁じゃ!このスカーフェイスども!さっさと集合せんかーい!」
さくら
「ひ~ん!急ぎまーす!」ぴゅーん
幸太郎
「まったく・・・」
●●
「聞いていましたか?」
幸太郎
「白々しいことを言うな。義眼で中継していただろう・・・」
●●
「先生は、俺が記憶を取り戻さないほうが都合がいいですか?」
幸太郎
「っ!」
●●
「すみません・・・失言でした」
幸太郎
「・・・・・・俺に決定権を委ねるな」
●●
「・・・」
幸太郎
「自分の事は・・・自分で決めろ。それはあいつらゾンビィ共も変わらん」
●●
「・・・・・・はい」
《幸太郎を残し●●はレッスンへと赴いた》
幸太郎の独り言?